社会

中国新型肺炎!春節?に武漢市ごと隔離!スーパースプレッダーとは

広がりをみせる中国新型肺炎。中国政府は武漢市民に、特別な事情がない限り市外への移動を禁止。

世界中の交通網が発達した結果、感染症の病原体も即日運搬される世の中でどこまで感染を抑えられるでしょうか。

管理国家であるから中国はこんな政策がとれています。日本はどうするのか。また、個人はどうしていくべきでしょうか?

春節ってなに?


春節とは、中国の旧正月のこと。中国では春節の前日から1週間休みになります。

この時に、実家に帰ったり、旅行に行きます。

1月1日にもお休みがあるので、新旧2回のお正月休みがあることになります。


2020年の春節で、4.5億人の中国人が海外へ出かけるそうです!

日本の総人口は1.2億人・・・
日本4個分の人間が移動しますね・・・

武漢をまるごと隔離するって?!人口どのくらいの都市なの?

中国湖北省武漢市は、中国の東西南北の中心にあり、20-24歳の人口が突出して多いです。

今回、新型肺炎の問題で、中国政府は武漢から特別な事情がない限り武漢市外へ移動してはいけないと指示を出しました。


武漢の人口は1108万人!

ゴールデンウィーク・年末年始に、東京都と埼玉県の全員に、都・県外に出てはいけません!と規制をかけたイメージです 意味わからん(汗)

ちなみに東京都は927万人・埼玉県の人口は126万人。(Wikiより)


管理国家である中国だからこそできる規模の規制です。人権問題。日本でできるわけないです。・・・でも、致死率がものすごく高い感染症が発生したらこの規模でもかけるのかも。

このあたりは、水面下では決まっているのかもしれませんね・・・
衛生関係の偉い方。むしろ決めておいてください。

って、やっと指定感染症に指定されましたね!!

そもそも規制できるの?!止められるの?

武漢市の移動規制より厳しい、入国管理の状況をみてみましょう。どうやって感染者を入国(移動)させないようにしているんでしょうか。

日本の空港での対応

春節の休みが始まる24日前後から武漢からの直行便で入国する乗客に対する対応

  • サーモグラフィーでの発熱確認
  • 健康状態の質問票 咳や発熱、解熱剤の服用の有無について記入を求めるもの
  • 検疫官の増員

これって・・・効果あるの?

新型肺炎は長くて12日の潜伏期間があるので、本人が感染している自覚がない

解熱剤などで熱を下げてしまえばサーモグラフィーで見つけられない

このことを考えたら、具体的な網になりようがありません。 というより、


完全な移動禁止以外に確実に国内へのウイルス持ち込みを阻止できる対策などないのです。

日本への直行便は武漢ー成田で4時間40分。東京博多を新幹線で移動するのと同じくらいの時間で結ばれています。

この状況で必死で検査しても、水際でウイルスの侵入を食い止めるのはほぼ無理です。「入っていないのはラッキーなだけ」と言えなくもありません。

武漢市の人の移動を規制して市民を『隔離』できる?

こうなってくると、旅行者本人の意識(良心など)に任せることになりますが、お金も時間もかけて計画した旅行やビジネスを、「咳があるから・・・」といって中止します?

なかなかできるものではないと思います。


中国当局は武漢市から出るなと市民に指示していますが、1年に1度しか実家に帰れないような若者が、「ちょっとだるいから」といって、故郷に帰れるチャンスを逃すとは思えません。

飛行機や電車を一時的にストップするという対策も、車をもっている人にとってはあまり意味をもたないでしょう。

スーパースプレッダとは?

たびたびニュースでスーパースプレッダという言葉がでてきます。


スーパースプレッダとは、病原体に感染した人のうち、通常以上人数に感染を広げてしまう人のことです。

今回の新型肺炎のTVニュースでは、「10人以上に感染させてしまう」と報じているところもあるようです。

SARSでは症状があった男性が、親族の結婚式出席のため香港ホテルに宿泊し、同じホテルの宿泊客に感染が広がり、その宿泊客が各国へ病原体を持ち帰ってしまいました。また、入院中の男性が感染し、他院へ転院することで感染が広がった事例もありました。

スーパースプレッダは昔から存在していた

1900年代、メアリーマーロンという女性は、チフス菌に感染して、自分は症状が出ないため気が付かず、アイルランドからニューヨークに移住して1900年代にニューヨークではやった腸チフスの原因になった。「腸チフスのメアリー」という通称で呼ばれている。その後、訴訟と隔離のうちに過ごした


このことから、メアリーの事例は公衆衛生と個人の人権の議論では必ず出てくるようです。いろいろな意味でぞっとする話ですね。ほんとうに他人ごとではありません。

体調不良を申告しないで規制をすりぬける個人のリスクは大きい!

感染源となった個人を特定できる

でも、でも、体調不調のまま、旅行を敢行して、万が一自分が感染して、気が付かないうちに感染を広めてしまった場合・・・

大変なことになります。なぜなら、現代の技術では、「誰が、いつ、どこで感染を広げたか」をウイルスの遺伝子を分析して追跡できるからです。


感染を広げた人を特定できるでしょう。

「最終的にあなたのせいで1万人感染しました」みたいな話になるわけです。

怖すぎます。

「あなたのせいで」のあなたが誰かは、全力で守られる情報でしょうが、全力で守るプロもいれば、全力で公開しようとするプロもいます。

自分が「感染源」となった時のリスク

鳥インフルエンザをみてください。どのルートからはいったネズミが感染原なのかを、めちゃくちゃ時間とお金をかけて調べてるんですよ!

ネズミは戸籍がないので特定不能ですが、人間は特定できます。


病気系の「あなたのせいで」は、時に当人を自殺に追い込むこともあります。

BSE”狂牛病”が出た当時。


何頭もいる牛の全頭検査中、「BSEと判定できなかった」と検査した獣医師が2日後に自殺し、BSEが発生したとされる農家と合わせて5人が自殺しています。

獣医師は、歩行困難は見抜き、(なんらかの)「病畜」であると判定しています。そこでBSEだなんて、見ただけで分かるわけがありません。わかりそうに思えますか?

空港でサーモグラフィーでの体温チェックをしている検査官もいます。

相手は、「新型肺炎のことは知っている。ちょっとだるいし咳も出るけど、せっかく何十万円もかけた旅行を中止したくない」と、”元気だと偽ろう”と決めて入国しようとしている人もいます。(自覚症状のない人もいるでしょうが)


麻薬や・密輸品は見過ごしても、「あなたのせいで1万人感染しました」といった話にはなりません。

でも、感染症は違います。感染源となったときに個人が負うリスク、また、「感染源を見逃した!」とされた検査官のリスクが大きすぎます。その仕事やりたいですか?リスク手当とかあげてもいいくらいだと思います。

規制ができていない!と非難する前に、ちょっとだけ想像してください


「国の水際防疫対策はどうなってるんだ!!」と非難が起こりやすい状況ですが、水際対策を「ちゃんと」やろうと思えば、完全な移動禁止しかありません。軍を出動させるレベルで。

豚コレラ(CSF)やアフリカ豚コレラ(ASF)の対応を見てください。
同じ「動物の感染症を広がらないようにした対策」です。それでも細菌やウイルスは広がります。

ウイルスを広げないように人類は昔から戦ってきました。いま、動物の世界でやっている対策は、1711年(日本で赤穂浪士が討ち入りした数年後のイメージ)から、基本は変わっていません。


移動規制 そして摘発淘汰です。後者の対策は人間に対しては絶対にできません。

動物の感染症に対して、この両方の対策をもってしても、『牛疫』(ウイルス感染症)の根絶まで4000年。口蹄疫は未だに根絶できていません。


牛疫は、患畜の70%以上が死亡する強い毒性があるため、感染すると動かなくなります。

口蹄疫は軽症で済むものも多いため、移動してどんどん感染を広げます。

その違いがその感染症を根絶できるか否かに大きく影響します。


今回の新型肺炎は軽症の人も多いので、後者です。感染者はどんどん移動し、感染を広げるでしょう。

「感染の広がりを抑えられていない!どうなってるの!?「」と非難する気持ちになったら、このことをちょっと考えてみてください。どうやったら抑えられそうですか?

ウイルスは素早く型を変えてくる。自己防衛するしかありません。

暗い話が続きましたが、最終的には自己防衛するしかありません。ウイルスは小さいです。普通のマスクでは通過します。


ウイルスを通さないと言われるマスクは、隙間のないようにがっつりゴムバンドで留める必要があり、息苦しすぎて日常生活でできるものではありません。

ただ、マスクをすることで、呼吸器の湿度を保って、粘膜にくっつきにくくすることはとても重要です。粘液で洗い流せます。

自己防衛の方法はインフルエンザと一緒。


うがい・手洗い・マスク・人込みを避けること


そして、自分の体調を、ウイルスに負けないように整えておくことです。

いろいろな病原体を怖がっても、結局できる対策は基本は同じ。


規制や対応批判をするまえに、具体的に自己防衛をしましょう。自分のために!


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